ディケンズと言えば、日本では「クリスマス・キャロル」が一番読まれているのでしょうか?
これは中学生の時に大好きだった作品です。

オリバー・ツィストやディビッド・コパフィールドは、日本ではあまりポピュラーじゃないかも知れません。
両作品とも近年は新潮文庫で再刊されましたが、一時期は絶版で入手困難になっていました(私は絶版になる前の岩波文庫版を持っていますが)。

ピクウィック・ペーパーズなんかは「若草物語」でジョー達がピクウィック・ペーパーズごっこで遊んでいるぐらいですが、その作品はなかなか入手困難です(私はこれも持っていますけど)。

近年は「大いなる遺産」が映画化されたり(見ていないけど)、二都物語がミュージカル舞台化されたり(これは良い作品でした)、なので再刊されたりで、少し入手しやすくなったかもしれません。

こんなことを書き出したのは、部屋を整理していて「エドウィン・ドルードの謎」が出てきたからです。
これはディケンズの未完の遺作にして、本格ミステリー小説の先駆け的作品です。

養父に育てられて、実の父親同士が友情から婚約をさせていたエドウィン・ドルードとローザ・バット。
そこに絡んでくるランドレス兄妹。さらにはエドウィンの養父である、実は邪悪な心の持ち主であるジョン・ジャスパー・・・・・・
エドウィンとランドレスの喧嘩と和解の直後、エドウィンは忽然と夜の闇に姿を消してしまう・・・・・・・

さて、ディケンズはこの作品でエドウィンの失踪直後に58歳で急逝してしまいます。
大人気作家の連載だったので、みなの落胆はいかばかりか、というところです。
彼が亡くなったのが1870年、本格的に推理小説が普及し出すのが1887年(年数に異論はありましょうが、シャーロック・ホームズの「緋色の研究」が出版された年です)ですから、時代を先取りした作品だったのだなぁ、と想像されます。

で、謎解きが始まる前に亡くなってしまったので、残された読者が悶々としていると、1872年にアメリカで(若草物語で取り上げられるくらいアメリカでも大人気の作家だったのでしょうから)続きがトーマス・ジェームスという工員によって完結されます。
何の話?とお感じになるかと思いますが、この工員に突然霊が降りてきて半年にわたり残りの部分を書き続けて、完結させてしまったそうなのです。
筆跡や綴りの癖、文体などから、専門家も本物と鑑定したそうです(本物とは、それでも鑑定しないでしょうと思いますが)。それで、ディケンズによる「エドウィン・ドルードの謎」として出版されたというのです(著作料はどうなったのでしょう?)。

こんな話が事実なの?
この話自体はディケンズを知るよりも以前に、小学生か中学時代にみんあんがわいわい言いながら読む「世界のミステリー」かなんかに出ていたので知ってはいましたが、それが大文豪ディケンズの話と知ったのは、この「エドウィン・ドルードの謎」が創元推理文庫で出版された1988年のことでした。

そんな降霊による(?)完結版があるのなら読んでみたくなりますよね?

ところが、この原稿は現在は完全に消滅しているとか・・・・・・・・・えっ?じゃあ、都市伝説?・・・・・・・大文豪が絡む割に不思議な話になっています。
どういうことなんでしょうか?

とはいえ、文学史上最大のミステリー(最大とするかどうかは個人の主観ですけどね)を誰もが放っておくはずはありません。

1988年にブロードウェイで「エドウィン・ドルードの謎」という作品が上演されていて、これが昨年にリバイバル上演されたようです。
これが洒落た趣向で、ディケンズの作品が「ここまでしか「残されていない」という宣言の後、8人の容疑者が舞台に上がり、観客の拍手で誰が犯人かを決定して、決定後にその犯人の物語を上演するそうです。
8通りの脚本を覚えなきゃならない役者さんも大変ですが、それでも犯人になると後半の主役なので、みんな自己アピールをするそうです。

一方では「エドウィン・ドルードの失踪」という小説があります。これは1993年に出版されていて、現在は絶版(これも持っていますの)。
今日の記事を書き出したのは、この本が出てきたからなのです。
主人公はシャーロック・ホームズで空き家の冒険で復活したすぐ後の時代設定です。

今時の本からすると、随分とページ数は控えめの文庫本なのですが、最初の方を読んでいる内に、簡潔にまとまった事件のあらましに引き込まれてしまいました。
そして、すっかりエドウィン・ドルードの謎の内容も忘れていて・・・・・

物語は養父のジャスパーが、エドウィンの捜索依頼にベーカー街のシャーロック・ホームズを訪問して幕を開けます。

私も「エドウィン・ドルードの謎」本体を読み返して、事件の謎に挑戦してみようかな、なんて考え出しています。

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