音楽に詳しくないので、昨日に続いてこういう題で書くのは気が引けるのですが・・・・・・

ベートーヴェンの有名すぎるほど有名な交響曲第三番「英雄」です。
ナポレオンに献呈されるはずが、皇帝即位のニュースに激怒して表紙を破り去ったというエピソードもまた有名です。

皇帝即位が1804年で、曲の初演も同年12月ですから時間的にはありえますが、ベートーヴェンは終生ナポレオンを尊敬していたとも言われていますから、弟子の作り話の可能性もあります。
実際に表紙には破った痕はなく、ただナポレオンの名前が消されて「ある英雄の思い出のために」と書かれていた記録もあるそうです。

聴いてみると壮大な交響曲で、ベートーヴェン自身が交響曲の中で最も出来がいいと評価していたのも分かります。

先日、あるネット番組でフルトヴェングラーの話を聞きました。
私はそういう話に疎いのですが、二十世紀最高の指揮者にフルトヴェングラーという、巨星がいるそうです。

フルトヴェングラーの前にフルトヴェングラーなし、フルトヴェングラーの後にフルトヴェングラーなし」と讃えられる大指揮者だとか・・・・・・

そういう話は素人は聞かされても「はい、そうですか」としか言いようがないのですが、ここからが驚きの話。

フルトヴェングラーは1954年に亡くなっているのですが、戦前・戦中の演奏を聴いていたファンは戦後の彼の演奏に対して「戦中はこんなものではなかった」と言っていたそうです。
先輩の「昔はよかった」自慢みたいなもの、と感じますよね。

ところが死後10年以上経ってから、フルトヴェングラーの戦中の演奏録音が現れだしたそうなんです・・・・・・

実は戦争中にベルリンを占領したソ連軍が、ラジオ局に保存されていた磁気ワイヤー録音を持ち去っていたんです。
破棄されなくてよかったぁ、という・・・・・

で、録音状態も良くないそうした演奏を聴けるようになると、ファンの皆さまはその凄まじい演奏に戦慄したとか。
空襲の続くベルリン。演奏中にも空襲があって、いつ爆弾が落ちてくるか分からないし、演奏後に無事に帰れるのか、明日も生きているのか、次の演奏を聴けるのか、次に生きて楽器を弾けるのか、・・・・・・

聴衆も演奏家も、明日どころか次の瞬間も分からない一期一会の演奏会・・・・・

刹那の輝きか煌めきか、という極限状態でなければ現れないものは確かにあるのです。

フルトヴェングラーはナチスとヒトラーを毛嫌いしながら、ドイツ国民に音楽を届けるために踏みとどまりますが、ヒムラ-から連絡があり、いよいよ逮捕の危機が迫る中、1945年1月23日に最後の演奏会を行います(wikipediaでは2月とありますね)。

その演奏会ではモーツァルト「魔笛 序曲」が演奏され、続いてモーツァルトの交響曲40番。
途中で停電になり真っ暗闇に・・・・・
楽団員も控え室に引き上げ、再開できるのかどうかも分からずに待ちますが、暗闇の会場からは聴衆は誰一人立ち去らず、寒い会場で待ち続けていたそうです。

フルトヴェングラーは周囲には秘密にしていますが、祖国での最後の演奏にブラームスの交響曲1番を選びます。
この録音は最終楽章だけなのですが、ネット上でも聴くことが出来ます。
実は、それを聴きながらこのブログを書いていますが、ちょっと感情の高まりが抑えられなくなりそう・・・・・・

さて、戦中のフルトヴェングラーの演奏で最初に存在が確認されたのが、「ウラニアのエロイカ」と呼ばれる名盤です。
この演奏もまた、あまり知らない私が言うのも何なんですが、迫力のエロイカです。
ずっとバーンスタインの英雄に慣れ親しんでいたので、ちょっと驚かされます。
でも、感情に訴えるというか、心動かされてしまいます。

二十世紀は、思想や戦争・冷戦やテロによって多くの人々が大変な目に遭った時代でした。
その極限にあってこんな凄まじいものも生み出してきたのか、と・・・・・

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